パッシブという言葉
ドイツのパッシブ・ハウス研究所で推奨された概念です。性能基準として、
1.年間の冷暖房負担が、15kwh以下
2.C値:2相当
3.一次エネルギー消費量120kwh/㎡以下
となっています。1~3の基準を満たすには、換気システムのタイプ(第一種~三種)どれでも良いことになります。
冷暖房負担を減らすには熱変換効率の高い第一種換気を用いることになります。
ところが、日本において、パッシブとは自然の風、太陽の力を利用、冷・暖房の助けとする家造りとされているようです。所謂(いわゆる)パッシブ工法と言われる家造りは、自然の力を借りて、消費エネルギーを小さくする設計思考として、太陽と風という好感度イメージで「優しさ」を連想させる工法とも言えるものでした。
パッシブ・エアコンの現実
このパッシブだけでは補えない、夏の暑熱対策、及び冬場に太陽の恵みを得られない寒い曇天、雨天、雪の日等には、ヒートポンプを利用するエアコンの力を借りる必要があるということで、パッシブの「優しさ」と、エアコンの確実性を結び付け、ソフトなエアコン使用をイメージさせる言葉が「パッシブ・エアコン」ということになります。
そこで、夏場エアコンの負担が大きくなり過ぎないように、目標室温28℃と設定。パッシブだから、あまり冷やしすぎない暮らしを理想とし、時には窓を開放し、風の涼を取り込めば良いということになります。
ところが、28℃は、夏の暑さを我慢するギリギリの温度であるという現実と、風の無い暑い日に窓を開けても涼は得られないことや、湿度の高い夏日では外気の導入はかえって室内に湿気を呼び込むこととなり、快適とは程遠い現実が見えて来ます。こうした実態を見るとき、涼風だけのイメージを夏場に組み合わせて快適を連想させることにはムリがあります。
これは、「私達の体験的に知る涼風イメージ」でパッシブ・エアコンのイメージダウンを防ぎ、かつ、いかにも涼しい暮らしが実現できるかのような期待感を呼び起こす効果をもたらす言葉となっています。曰く、「パッシブ・エアコン」の言葉の力を解説すればこのようなことです。
又、冬場は、太陽の熱を利用して、暖房エネルギーを削減する、プラスイメージと、エアコン利用の確実性を謳うことで、クリーンな暖房イメージを想起させます。
ところが、パッシブ・エアコンの暖房は19℃を下限の目処としています。これは寒さを我慢するギリギリの限界値の20℃より下になります。
「冬は23℃~25℃、夏は25~26℃」
マッハシステムの現実
マッハシステムは、住宅の軀体そのものの断熱性能がしっかりとしており、「大風量小温度差空調」で、体に負担のない快適な温熱環境をご提供できるようになっております。「パッシブ・マッハシステム」といった呼称はありませんが、マッハシステムにおいても、自然の恵みである太陽が、冬に暖房効果をもたらします。エアコンの電気代は冬の晴天時大きく削減可能です。
又、夏場には日射取得を外付ブラインドや東・西のシャッター雨戸で遮ることで、エアコンの消費電力が削減可能となります。という訳で「パッシブ・マッハシステム」的な運用にもメリットがあることになります。
8月 暑い夏の一日
1月 寒い冬の一日