開業3年で住宅保証機構の広報誌に載ったことがあります。
アイ・ホームが開業したのは平成1年の12月でした。幸い受注も出来て順調な船出でしたが、お客様方の大切な家をお守りする為、どうすれば良いかを考えた時に、「瑕疵保険」の導入が一番だとの結論でした。
新築住宅のお引き渡し時には、わからなかった不具合のことを「瑕疵」として10年間保証する保険のことです。
その当時、業界でこの保険の存在を知らない人はいない「瑕疵保証保険」でしたが、利用するビルダーは稀(まれ)な存在だったようです。
アイ・ホームでは創業時から全棟「住宅瑕疵保険」を利用しました。
創業3年当時、年間20棟程度の実績でしたが、その時点で全国でも目につく「住宅瑕疵保証保険」の利用実績となっていたようです。
宮崎県のアイ・ホームという会社は、当時宮崎県内で一番の利用棟数だったようです。又、全国でも目を引く利用実績ということで、東京から取材記者が見えました。
今でも、その記者の方と高鍋町に当時建設中の現場をご案内した時のことを思い出します。
程なく掲載誌が送られて来ました。その後、何年もアイ・ホームの宝としてその掲載誌は保管されていたのですが、引越しなどあり、所在不明となってしまいました。
思い返すと残念な気がします。住宅メーカーとして利用は当然な保証保険ですが、一般的にはほとんど利用されていなかったのが当時の建設業界の常識だったようです。
創業して間がなかったアイ・ホームでしたが、ご縁を戴いて、宮崎県を代表する木造住宅メーカーの活動グループ「木住協」に入会させて戴きました。当時メンバーは7社程でしたが、現在では5社は業界を去り、当時のメンバーでは、残っているのは2社だけとなっています。
この木住協の会合に出かけた日のこと、集合場所に近づくと声が聞こえてきました。
「○〇さんとこは年間何棟、瑕疵保険利用してるんですか」
「ムニャ ムニャ ムニャ」
「〇〇さんは?」
「ムニャ ムニャ ムニャ」
「だよね、ちゃんと作っているのに、あの保険利用する意味ない~」
そうして、全員の合唱とも言える笑い声でした。
入室のトビラの前で、少しだけ立って耳をそば立てていたのですが、会合ですので、入らないわけにはいけません。
「ア、アイ・ホームさん、あなたのところでは、住宅瑕疵保証、年間何棟ぐらい利用していますか?」
「え、アイ・ホームは全棟です」
しら~~っ。。。
これが当時の建設業界の常識で、その後、10年程、状況に変化はありませんでした。あることをきっかけに、建設省が「住宅瑕疵保証保険」の利用が義務付けられ、今日に至っています。
消費者保護の観点で全棟利用が義務付けられたのが「住宅瑕疵保証保険」なのです。