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良い子のパパ(子供の日にちなんで)

良い子のパパ(子供の日にちなんで)                                           
 「どうすればこのような良い子に育てられるのか」、それは親として最高の誉め言葉である。
 世の職業に仕事から得られる最高の喜びは「感謝」の念を贈られることである。
さればこそ元気と誇りを胸に、困難にも立ち向かうことが出来るというものである。
 ここに獣医という職業がある。
思うに動物に対し、誰よりも愛情深く、怪我や病から動物を救い、癒す仕事である。しかしながら患者である動物から「感謝」の念を寄せられることはまずないようで、仮にワンチャンの場合は吠えられ、時には咬まれることさえあるという、割に合わない仕事となっている。
 ところで当家のミニチュアダックス君は動物病院に行けば院長室に喜んで走り込む。しかも小さな尻尾をブンブン振りながら。すると院長の顔に驚きと感動が広がり、「ヨシヨシ」ということになる。
 次いで、検査の後に痛い注射となれば診察台の上で、これも静かに注射の終わるのを待っている。
 「おりこうさんだね」
 見ている方が顔をしかめているうちにチョロチョロと尻尾を振って、終わりました。
 終に、院長はウメイタ。「人間に対する深い信頼に支えられているワンチャン。どうすれば、こんな良い子に育てられるのですか?」
 院長の顔は、私共犬バカ夫婦に最大限の賛辞を贈っていた。
 我が家に犬の居ない時は無かったと言える程、犬とは永いおつき合い。
自然と会得した「犬飼いの奥義」とは、「犬の気持ち」を感じながら楽しく暮らす日々を重ね、信頼の絆を育てるといったところか。
 その日以来、私、時々町の銭湯で出会う院長様から、尊敬の波動を受ける犬パパとして、「良い子のパパ」として最大限の満足を味わっている、アホなパパでもあるのである。
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