設計の意味をデザイン、使い勝手、性能などといった観点から探る時、忘れてほしくないのは「暮らし」と「時間」の変化です。
子育て世代のときから、2人住まいへ、将来は一人住まいに変わってしまうかも知れない、わたしたちの暮らし。「暮らしぶり」「時間の経過」で変わる「必要とされる設計」を予測しながら家づくり設計をしなければ良き家づくりはできません。
ところで、断熱等級7はどのような意味があるのでしょうか。
ヨーロッパは緯度が高く、冬場寒いので、暖房は暮らしの質を決める大切なポイントでした。ヨーロッパでは無暖房住宅と言われる商品が存在しています。厚さ300mmを越える断熱材で住宅を包み、暖房エネルギー無しで暖かく暮らせる家のことです。生活者の内部発熱だけで暖房なしでも室内が16℃程度になる住まいが理想となっており、高断熱住宅を究極まで追求して生まれた工法がヨーロッパの「無暖房住宅」です。
家造りは、地域の気候風土に合った性能が求められます。建築に携わる設計者、職人さん、そして建主さんの三者が理想の工法施工を選択します。
ヨーロッパは日本の北海道の北部くらいの緯度に位置します。
冬になると0℃以下が当たり前ですので、暖房なしでは暮らせません。更には、暖房費用が家計を圧迫、命と家計に大変な危機をもたらすのが、家の断熱性能の良し悪しです。
ヨーロッパでは断熱性能の良い貸家は賃料が高く、その逆は安くなるようです。