能力の高い人に「つまらない仕事」を頼むと「やれば良い」だけの心のない仕事になってしまうことがあります。
仕事は依頼者や、仕事の結果を期待する人のために一定の正確さと水準が求められます。「つまらない仕事」など存在しません。
家造りでは様々な職種の人が入れ替わりながら基礎工事、屋根工事、サッシ工事、そうして大工事、電気工事など、を担っています。様々な職種が担当する工事は、他の工事に影響を及ぼしますので、責任ある施工が求められるのです。
そのお客様から、なんとかならないものかとご相談がありましたが、施工上のトラブルは、その不備、不良を証明しなければならず、一般の方にはそのような証明手続きは大変なことだと思ったことでした。
住宅の工事保証として、国は10年間の瑕疵保証保険を義務化しています。手抜き工事などという倫理観の低い住宅消費者を守るために、国が強制的に義務化した制度です。
幸い、その方は家が完成してまだ8年でしたので早めに、修復手続きをされるように「住宅紛争処理センター」にご連絡されるよう、おすすめいたしました。
地震はいつ来るかわかりません。長期優良住宅は「良い家の模範」のように言われていますが、耐震等級は「2」でもOKです。この耐震等級2がどれ程のものかは、先の熊本地震で明らかになりました。倒壊、半壊した家が等級2の性能を有する家でも発生しています。
これに対し、耐震等級3の家では倒壊はゼロ。半壊までゆかない破損程度の被害ですんでいます。
「心ある仕事」とは、決して家を倒壊させたくない、住宅メーカーとしての矜持(きょうじ)が、誰に言われなくとも絶対に「耐震等級3」でしか家はつくらないとする、それを当たり前として施工することに尽きるのではないでしょうか。耐震等級2の長期優良住宅を建設することを「心無い仕事」と言うことは言い過ぎかもしれませんが、少なくともアイ・ホームの家づくりでは、「心ある仕事」は耐震等級3でなければなりません。