最大瞬間風速57.9メートルを観測した宮崎県1993年9月3日のことでした。
当時アイ・ホームは開業して3年目でした。宮崎県内中の家の瓦屋根が被害を受け、ブルーシートがほとんどの家に乗せてありました。
当社のお客様の家も大半被害があり連日、復旧工事に飛び回ったことがありました。
たまたま、ブルーシートや屋根補修の材料手配を事前に行っていたので、応急処理は迅速に出来ました。
どうすれば瓦が飛ばないか、当時の宮崎県瓦事業組合の組合長さんと打ち合わせを行ったところ、7枚毎に釘止めを改め、5枚毎に、更には全て1枚ごと釘止めする施工方法に変わりました。
当時から、コロニアルは暴風に強く被害も軽微でした。理由は一枚ずつ釘止めする工法だったからです。
日本にはこのコロニアルを製造販売するメーカーが現在一社だけとなっており、競争の原理が働いて、より良い製品開発がなされなくなっているのが残念です。
風速90m/秒の暴風に耐える「強化ガラス」は一般的なガラスの7倍の強度なので猛烈な台風にも強さを発揮した・・・と広告する〇〇工務店の例を取って検証してみましょう。
強化ガラスを実験的に取り上げて家全体があたかも風速90m/秒にまでえられるような記述は詭弁です。仮に小石が風に飛ばされて強化ガラスに当ったら、集中加重により、一瞬で強化ガラスは割れてしまいます。
風速90m/秒に耐えられるはガラスであって家ではない。
日本で観測されたこともない90m/秒を持ち出して台風対策が万全であるかのような広告は誇大広告とも言えるものです。
高台にある2階建ては、平地の1.5倍くらいの風は吹きます。心配されたお客様から依頼を受け捜したところ、アメリカ製の製品で風速70m/秒まで風に飛ばされない商品を見つけましたが、他に強風対策として具体的な風速を示す瓦商品は見当たりませんでした。
実験による実証も、屋根という大きな面積に強風を吹き付ける装置そのものが存在しないとのこと。例えばジェット機から吹き出す排気程の威力が必要となり、現実的には70m/秒までが限界とのことです。
大型の飛来物が、しかも重量のある物が自宅の屋根に飛来すれば、被害は免れないことは明らかです。対策としては、建物に屋根材を固定する工法を選択し、できれば軽量な材質であれば二次被害を防ぐ予防にもなります。基本の施工が何よりも大切なことになります。