昨日、国富町の木脇中学校で、キャリア教育が実施されました。
6社程度の企業が、中学2年生の生徒さんたちに、自分たちの行っている企業活動について説明し、将来の参考にしてもらおうとのことで約1時間程、2講の発表の機会を戴きました。
様々な話の後で、「何か質問がありますか」との問いかけに対して、男子の生徒さんが手を挙げての質問でした。
「働く意味を教えてください」
その場で、わかりやすく、為(ため)になる教育的回答をしなければなりません、なんとか、名答ならぬ迷答をさせて戴きましたが、少し付け加えさせて戴きたくブログに、私なりの「働く意味」を述べてみたいと思います。
人は「生存」という「生きて在る」為に、水や食料、空気を必要としています。
人は自分という「命」を守る為に、例えば、おなかが空(す)いていた時、目の前にリンゴの木があり、赤く熟れた実があれば、この実を手でもいで食べることでしょう。リンゴの実は人に水分と食料としての栄養を与えてくれます。でもそこに、「リンゴの木」だけがあって、実が無ければ、食べることが出来なかったことになります。
木を植え育て、ただ食べられるリンゴではなく、少しでもおいしいリンゴの実が収穫できるように、心を込めて育てられた「リンゴの実」は生存の為に食べる「食料」でもありますが、「良い香りや甘い食味」は「満足」という心の栄養までもたらすことがあります。
そうして、おいしいリンゴの実を育てる為に働いた人のお陰を私たちが戴いて「身体も心」も元気に成ることが出来るのです。リンゴの実を育てた人は「おいしいリンゴ」という「価値を生み出す」働き方をしていたことになるようです。
又、私達は、家族という単位で助け合って暮らしています。
生まれたばかりの子供には、食べるもの、飲み物。清潔な衣類や、安心して休める住まいなどが必要です。
人は自分の為だけにリンゴの実を食べずに、家族にも「リンゴの実」を分けて与えてあげる必要があることになります。
自ら木を植えて、育て、実を収穫するまでは大変な時間が必要ですから、リンゴ農家の人の出来ない、このリンゴと交換できる「価値」を働くことでつくり出せたとしたら、「家族」の為に、そうして自分の為にも役に立たせることが出来るようです。
あなたの生み出した価値が、家族や自分を守り、リンゴを育てた農家の人を守ります。
「働く」ということは、人が助け合うことによって豊かに暮らせることに気づいたことを意味しているように思えます。人は働くことで助け合い、より豊かな暮らしが出来るようになるのではないでしょうか。
どうぞ、将来、あなたなりの「おいしいリンゴ」を育て、皆を幸せにして戴きたいと思います。