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一枚の絵

                     一枚の絵 
 モデルハウスに「絵」があれば、お客様にもう一つの楽しみをご用意できることになります。
この場合、あくまで「絵」が主役になり過ぎないように、私共の住まいづくりを支えて戴くような「絵」の存在が望まれる。
家具や調度品はモデルの完成を見越して用意してゆくのですが、「絵」となると予算にも限りがある為、気にいったからといって、中々購入は出来ません。
 そのような訳で、画商に予算を示して「絵」を用意してもらうことになります。
 5年程前、UMK展示場モデルを新築した折、床の間を実験的なデザインとした。
畳に代えて麻のカーペット、その床の間に照明と凸凹のある壁面。そこには「掛け軸」、「書」でもOKだが、それでは革新的なデザインとは成りえないということで、「絵画」を用いることとなった。
 画商のT氏から様々な作品を提示して戴いたが、どうしてもしっくりしたものがない。
 モデルのオープンも間近になって、果たして、あの床の間にピッタリの作品が見つかるだろうかと気にしていたところ、「今から伺いますが時間はありますか」とのこと。
 待つ程にT氏の几帳面な挨拶と共に、大きな包みが運び込まれた。
中に4点程の作品があり、一点づつ箱の中から取り出して戴いた。
 3点までは、可もなし不可もなしといった感でしたが、4点目、それはようやくにして出遇えたといった感じで私の目の前にあった。
 抽象画でグレーの地にペンで様々な線が走っている。額は銀鼠の金属。
手に取って、床の間に翳(かざ)してみた。
良い。じんわりと不思議な落ち着きが伝わって来た。私は「これでゆきましょう。」といった。
ふと、振り返ってT氏を見ると、目の中に大きくゆらぐ影があって、T氏はしばらく沈黙した後、「良かった。有難うございます。」と言った。
そうして、「それは私の父が描いたものです。」と続けた。
何か良いものをと捜しあぐねた折に、父の遺作のペン画がT氏の目に止まった。
私共のモデルハウスの床の間に合わせて銀鼠の額を設(しつら)え、その他の作品と共に持参されていたとのこと。
 T氏の父君はお若い頃より画業を志され精進されておられたとのこと。そのご縁でT氏も画商になられた由。
 5年前より今日まで、大切にアイ・ホームのUMK展示場の床の間に革新的な表現としてこの「一枚の絵」が展示に大きな力を発揮してくれております。

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