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高気密高断熱時代の住まい方

  高気密高断熱時代の住まい方
バナナが直ぐに完熟する
 これまで室内の冷暖房は部分的、パートタイム方式でした。お買い物から帰宅されると、一時保管は「冷暗所」と言われる納戸や、火器であるコンロから遠い所に、こうした「バナナ」が置かれることになっていた。
完熟までには十分な時間があり、「そろそろ、もういいかな」、「否、もうちょっと」といったように時間がゆっくりと流れており、暮らし振りは身についた時間の流れに添うものとなっていました。
 一方、高気密高断熱の住まいでは、全館冷暖房が一般的で、特に冬場温度差の少ない暖かで快適な室内環境を実現出来なければ住宅性能としては失格となってしまいます。
よって、バナナは冬に購入されたとしても、「冷暗所」としてこれまで位置づけられた納戸で急速に完熟する。皮は黒くなっても長時間保管する場合、冷蔵庫が適所となります。
 家造りの立場から、北海道の方にこのことについて尋ねて見たところ、外気が冬場マイナス20℃ともなる寒さでは、全室暖房は命にかかわる大切な要件となります。
よって、しっかりと暖房が行き届いた室内では、半ソデで暮らせることになる。
 青森では室内と室外との間に雪を振り落としたりする風除室的玄関前の空間があり、ここが土間として野菜類の保管に用いられているとのこと。
 外では氷るし、内では暖かさで野菜がいたんでしまう。土間は地熱で温かく、野菜は適度に冷やされることになる。
生椎茸が乾椎茸になる
 宮崎では、冬場は晴天が多く、湿度も低く、これに風が吹けば干し大根が漬物に加工できるように仕上がる。
室内環境については高気密高断熱の住まいが、多くは過乾燥に悩まされることが多い。
 暖房方式が石油燃焼タイプであれば、燃焼に用いられた石油とほぼ同量の「水」が発生することになっており、加湿が暖房と平行して行なわれていることになる。この場合、結露が生活上の悩みとなる。
硝子戸いっぱいに水滴がついて誰もが気になるところである。そのうえ、高気密な室内での石油燃焼は命の危険を招くことにもなり、NGである。
 高気密高断熱住宅の先進地では、この過乾燥にどう対処しているのでしょうか。
 曰く、加湿器は必需品だということです。
ただ、暮らしの工夫で、パネルヒーターの熱を利用して、洗ったバスタオルを干したり、蓄熱暖房機の輻射熱パネルで洗い物の乾燥を行なったりするそうです。
 暖房と加湿を同時に行なうことのできる生活の知恵で過乾燥を乗り切っているそうです。
 夏の暑さ対策
高気密高断熱住宅の夏の暮らし方には大切なポイントがいくつかあります。
湿度のコントロールが大切、クーラーは連続運転が基本
 夏の日差しは大量の輻射エネルギーを家全体に浴びせます。日中にこのエネルギーは浴びせられることになりますが、基本は家全体にこのエネルギーを蓄熱しないことが快適な暮らしを可能にすることになるのです。
 夏場の空気は大量の水蒸気を含み、温度だけを下げると湿度の上昇を招き不快となります。従って、クーラーの使用では除湿効果のある利用方法をおすすめします。
尚、クーラーに合わせて除湿器を用いられることは、更に快適な空気環境をもたらすことになります。
湿度40~60%は快適ゾーンとなります。
高気密高断熱住宅の夏場のクーラーは連続運転が基本です。温度の上昇をふせぐだけでなく湿度を落とす意味もあります。
 但し、夜間外気温が下がる秋口などはオートで28℃に設定されると3℃程度の温度差で、例えば、24℃まで外気温が下がり室温も下がった場合、自動的に暖房が働き28℃まで加熱してしまうことが起こります。
この場合は、タイマーで寝入りばな2時間程度でクーラーを切られることをおすすめします。この時、2時間の蓄冷が働きますので、建物外皮(壁)が吸熱した熱の影響で熱さが室内におよぶことを防止します。その後外気温が下がれば外からの冷気が外皮にたくわえられた熱を奪ってくれますので室温上昇はさけられることになるのです。
パートタイムでは事前冷房で蓄冷
 さて、日常的にはパートタイムで冷房をご使用になる方が多いことでしょう。
それでも帰宅前3時間程にはクーラーの運転をタイマーでスイッチオンされておけば、帰宅後快適にお過ごし戴けるものと思います。
 中には、体調の関係でクーラーの風がおきらいな方もいらっしゃることと存じます。そういった方は、在宅中のクーラー運転をできるだけ制限したいとお考えのことかと存じます。
 その場合、帰宅前3時間程のクーラー運転開始時の温度設定を出来るだけ低温にして戴くことで、建物外皮の蓄冷効果を最大限に引き出し、帰宅後の温度上昇を効果的に防ぐことが出来ることになります。
 それではどの程度の設定が良いかと申しますと、これは様々な条件で一様に想定することは不可能です。
よって、例えば22℃程度が良いか、24℃程度が良いか、は実際におためしになって、各々の快適温度設定をお捜し戴くことになります。
暖気を換気扇で抜く
 尚、パートタイムで冷房される方は日中の温度の上昇で、室内の空気が暖まって、1Fから2Fに上昇し集まってしまいます。
暖気を室外に追い出すことも効果的な冷房を実現する方法となります。
よって、更に帰宅3時間前の冷房を効果的にする方法として、出勤後午前10時頃より午後2時頃までタイマーで2階上部に取り付けた換気ファンで室内の空気を吸い出します。
一方、1階の一部に吸気口を連動して開くことで空気を取り入れると2階上部の暖気の排出が効果的に行なえることになります。
その上で、午後3時頃よりクーラーの運転を開始し6時に停止されても、3時間の事前の冷房で、建物外皮を内側から冷やし冷輻射効果を生み出すことで、帰宅後、冷風に当たることが不快に感じられる方も快適に暮らすことを可能と致します。
輻射熱対策が夏場のポイント
 夏の暑さは太陽から降り注ぐ大量の輻射熱であることは先に述べました。
では建物の床壁天井の中でもっとも輻射熱が建物の中に侵入するのは何処かという質問があれば、それは窓ということになります。
 実に50%以上の輻射熱がこの窓から侵入しています。
従って、窓からの侵入を防止することは効率の良い輻射熱対策となります。
 窓の内のカーテンやブラインドも良いのですが、窓の外部で遮蔽する簾は大変効果的です。窓からの70%の日射遮蔽が実現すれば、全体的に30%の輻射熱カットにつながります。
周囲に緑を取り入れる
 又、南や東西の敷地面が吸熱した太陽熱は地上の空気を熱伝導によって温め、暖気を発生させます。
家の周囲に暖気を充満させるようなコンクリートの駐車場や砂利敷きはこうした蓄熱体として涼しい暮らしのマイナスに働きます。
 更に、蓄熱体としてコンクリートやアスファルトの敷地からは大量の輻射熱が発生し、建物本体を温め、更に硝子窓から室内に侵入して来ます。
 建物の周囲に植樹をして木陰を作ったり、敷地に芝を植えるなどの緑化を行なうことで、夏場裸足で立っておれないコンクリートや砂利敷きの敷地がゆっくりと歩くことのできる涼しい土地に変わります。
この時、建物の周囲に存在したヒートアイランドはクールアイランドに変わって、室内も涼しくなって来るのです。
南面の屋根に太陽光発電を設置する
 南に面する屋根だけでなく、東や西も直に太陽光を浴びることで表面温度が夏場70℃~80℃まで上昇します。
 野地天板(屋根・瓦の下の板)表面温度は夏場、設置前49.32℃が設置後38.40℃となり、実にー10.92℃となります。
それにこれは意外な事実ですが、冬季は逆に設置することで野地天板表面温度が高くなることが知られています。
それは外気がマイナス5℃といった寒い時には太陽パネルが吸熱して屋根を近くから輻射熱で温めるためだと思われます。
 ちなみに、冬季屋根表面温度は8.12℃、設置後13.35℃であり、実に+5.23℃という測定結果が公表されています。
以上。
 次回に考慮すべきことを更に述べさせて戴きます。

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