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「住活」で風鈴を楽しもう。

                     「住活」で風鈴を楽しもう。 
 「風鈴」という短編小説がある。
山本周五郎の「日本婦道記」の中の一編である。
話は慎ましく坦々と暮らしを重ねていた女性が、ふとした切っ掛けから、自らの生きる意味を再認識するというもので、私の好きな作品だ。
 粗筋は、下級武士の妻が主人公で、妻には二人の姉妹があり、それぞれ裕福な嫁ぎ先に恵まれていた。
二人の姉妹は、着るもの、食べるもの、物見遊山など、それぞれに贅を尽くして楽しげに暮らしている様子。
 或る時、遊びに誘いに来た妹が軒端に吊るされた鉄(くろがね)の風鈴に気づき、「こんなものまだ吊るしているの」と取り外してしまう。
 妻は自らの地味な暮らし振りを思い返して、その鉄(くろがね)の風鈴を疎ましく感じてしまう。
夫は藩の米の取れ高を予測する地味なお役目だった。
禄高(ろくだか)も少ない上に、これ以上の出世も見込めず、その上、およそ役にも立たない植物の研究などに精を出す始末。
気分でも変えたくなって、なんとなく少し濃い化粧などして見ると、夫は「おや?」と思ったらしいが、それ以上のこともなく日が過ぎてゆく。
 暫くして、上士の叔父が家に訪ね来たりて、夫に出世話を持ちかける。
お勝手より妻が茶を運び来る折、そのやり取りを聞いてしまう。
「お前程の者がもったいない。この度、出世の段取りも出来たので・・・」と熱心に勧める声に応えて夫は、「私の仕事は地味な仕事ではありますが、藩の財政の基礎となる米の収穫を予測する大切な仕事。私はこの仕事に誇りを持っています。それにこの仕事、私以外にまかせられる人がいますか」といった声が聞こえて来る。
妻はこうした遣り取りを耳にする内に、体がカッと熱くなるのを覚える。
 来客が去った後、妻はふと鉄(くろがね)の風鈴を思い出し、軒端にこれを吊るすと夕暮れの風を受けて、風鈴が快く鳴り響く、といったストーリー。
 長々と粗筋を書いてしまいましたが、記憶違いばかりかとは思いますが、一度ご興味のある方はご一読下さいませ。
 さて、軒端の風鈴の風情。やはり一戸建ての住まいならではの楽しみです。
ぜひ皆様も「住活」して楽しんでみられては。

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