宮崎県 注文住宅のアイ・ホーム株式会社

アイ・ホーム家づくりブログ 我が輩はごい犬ばん

月別ブログ一覧

縁側の時間

縁側の時間
 かって、来日した外国の建築家が何よりも驚いた日本建築の特徴は「縁側」である。
内のような外のような、「縁」から内は間違いなく内だが、縁はだからと言って外ではない。
 日本人の心に深く刻まれた縁側の風景とはどのようなものであったろう。
冬はサンルームのような暖かな日溜まりとなり、人も猫も微睡(まどろ)む所、夏は日影となり、風鈴の音を聞き、夕べには蚊遣り線香の流れる煙をたよりに、団扇片手に語らいの一時を得る。又ある時は、不意の来客に一服の茶を供し・・・といった具合。
 日本建築は在来木造住宅に代表される、木軸を骨格とする建物で、柱が立っていればこれに屋根を乗せれば良く、壁は無くとも形を成すものである。
これに比べれば西洋建築は、多く石の文化に代表される壁主体の建築様式であり、この壁に穿(うが)たれたのが窓ということになる。西洋建築の内と外は窓によって分かれていたようである。
この頃の住まいにはこの縁側が無くなったようである。時折、広縁希望のお客様がおられるが、全体の予算組みの中で、いつの間にか一間幅が半間に変わり、いつの間にか洋間の板床に変わってしまっている。
 昔、「母さんお肩をたたきましょ。タントンタントンタントントン、お縁側には陽がいっぱい・・・」と唄われた縁側は家族の団欒に欠かせない場所でもあったようだ。
 ところで、性能表示制度に準拠すると、家の角に位置する回り縁などは耐震性能が落ちる為、木造のみでは作りづらいようである。他の工法で見ても、壁構造のプレハブ、2×4、いづれも最も不適と言えよう。まだ、木造軸組の方が可能性がある。
 そこで、H鋼とのハイブリッドとなるテクノストラクチャー工法であれば、門型フレームを組み合わせるなどすれば実現可能といえるのではないか。
どうかお客様におかれましては、一度回り縁のある設計をご依頼下さい。完成邸で皆様にご披露してみたいものです。
                                          平成20年8月27日
                                              田村 寛治

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です