太陽の熱を室内に取り込んで暖房に用いる。それは、昔、大いにウケた設計思想です。
〇〇ソーラーハウスなどその代表です。断熱性能がアップした、今日の住宅で、太陽熱をタップリと取り入れると、大変な事態となってしまいます。「オーバーヒート」です。
太陽の熱エネルギーは冬と夏も同等の力で地球に振りそそいでいるのです。1kwh/㎡です。
冬だからと言って、しっかり断熱された住宅に、太陽の熱を制限もなく取り込む愚は「オーバーヒート」で直ぐにわかることです。
先日、東京でユカコ研究会が開催されました。この研究会は、東京大学名誉教授の坂本雄三先生が主催されるもので住宅における温熱環境を改善改良する為の研究会です。
研究テーマに添っていくつかの事例発表がなされましたが、今回アイ・ホームの介護支援モデルハウスの全館空調が取り上げられました。
マッハシステムとして今や全国50社を超える加盟店がある工法ですが、これまでの温熱測定の結果を取りまとめて、冬、夏、梅雨時について発表してまいりました。
生活空間としての住まい
住まいは、家族が集い、食事をし、くつろぎ、休息する為の生活空間です。
住まいは、雨風はもとより、暑さ寒さから私達を守り、明日への元気を養う所。
心地良い空間は心地良い空気に満たされてこそ快適な空間と言えましょう。
マッハシステムはそんな空気環境を私達に提供してくれます。一年中通して、全館を空調し温度を快適に保ち、湿度までも調整できる技術、それがマッハシステムです。
当日、研究発表をされた某社の事例では、これまでの住まいが解決出来なかった暖かな暮しの実望に向けて、「蓄熱」をどのように生活に利用できるかということを、様々な取組の結果として発表された苦闘の歴史とも言えるものでした。
様々な工夫を毎年行われて来られその都度失敗をされ、更に挑戦された。大変な資金と手間がそこには存在しているようでした。
「太陽の熱を蓄熱して、心地良い生活空間をつくる」という発想は良かったのですが、住まいの断熱能力とのバランスを忘れてしまった結果、「オーバーヒート」という現実に行き着いたということです。
「蓄熱」=「快適」という幻想は、今や「オーバーヒート」のオバケとなって立ち表われていると言えましょう。