ポツンと一軒家という番組がある。仮に、私達建築会社が「ポツン」とあの番組に出てくることは無い。
建築工事は、必要とする人の依頼を受けて、必要とされている建物や構造物を建設する仕事です。
依頼者は、自ら工事するのではなく代価を支払うことで、施工業者に目的物を専門知識に裏付けされた安心、安全、美的な物として実現してもらうことになります。
これまでは、建築物の中でも規模の小さな住宅、「木造」を主として建築して来た「住宅建設業者」は旺盛な住宅需要に支えられて戦後繁栄を続けて来ました。
今、人口減少に転じた日本の中でも人口流出の激しい地方において、住宅需要は縮小する一方となっています。これからの「住宅建設業者」は、新築市場の裾野として維持管理、リフォーム、リノベーションの市場をこれまで以上に大切にしなければならないのではないでしょうか。
更には、これからの住宅事業者は、街が必要とする、非住宅、施設建設を得意とする木造で代替し、これまで培った住空間性能である、断熱、気密、省エネ等の知識や技術を活かした新しい価値を提案し、受注の幅を広げてゆく必要があるようです。
今回施工の機会を頂いた病院建設において、高断熱と創エネルギー、ZEB(ゼロエネルギービルディング)の工法をご採用頂きました。更には、全館空調のマッハシステムを合わせて採用頂きました。
人口は減少しても、街に住む人々が必要とされる建築物を期待値以上の物造りで供給できることが私共木造建築業者が生き残れる条件だと思われます。
これまでのゼネコン業者と同じことをしても、勝てません。自分達だから出来るノウハウを活かしてこそ、選ばれて残ることが出来るのだと思われます。
木造によるこの分野「非住宅」への進出は、従来の鉄骨系や鉄筋コンクリートの建築物に比べ、工事費が圧縮できるメリットがあり、欧米でも5階建て程度の建物はできるだけ木造化を促すようになってきているようです。加えて、先に述べた、断熱気密、省エネルギーを実現できるノウハウを盛り込んだ「設計、施工」で貢献できる建築会社として地位を確立することを目差したいと考えています。