子供は環境の産物と言われます。昭和という時代、貧しさや寂しさが色濃く町並を覆っていました。
楽しみと言えば、紙芝居で紙芝居屋さんが叩く柏子木の音に誘われて、子供達は手に手に屑鉄を持って集まって来たものです。
この屑鉄と水飴を交換し、その後紙芝居を見ることとなります。
そんな折々に、屑鉄の算段の付けられない、体の不自由な子供や、貧しい家庭の子供達がいると紙芝居屋さんは、皆を笑わせながら、水飴を少しずつサービスし、安堵の空気の流れる中、賑賑しく「月光仮面」の始まり始まり。…となる。
貧しさや寂しさの中にも、こうした幸せな時のあることを昭和の少年であった私も仲間達もよーく知っていた、そんな少年時代を生きたことです。