正月を前に素晴らしい番組を見た。テロやいじめ理不尽な暴力。未来に希望が見い出せない世相の中で、温暖な故里宮崎もあえいでいるようなこの頃である。
この絶望感にさいなまれた年の暮、宮崎市内の公立高校4校の伝統となった、野球部の対抗戦での応援合戦にスポットを当てた応援団員のドキュメントを見た。
入学早々の一ヶ月後にある大会開催に向け、新入部員募集から物語は始まる。「ジャンケンで負けた者」が選抜されて入部するスタイル、父兄の反対で入部希望者激減で、たった4人だけの宮崎北高応援団は、昼食時間に1年生の部屋をプラカードを持って入部勧誘に回るなど、涙ぐましい努力で始まった。
その入部一ヶ月にしかならない部員たちが、厳しくも温かなシゴキに耐えて、一ヶ月後には顔付きまで変わって、立派な「男」に成長してゆく。
又、3年生で受験生となった先輩は退部。将来を目指して勉学に励んでいる様子が描かれる。応援団として「見事な演舞」を披露した団長の一人は磨き上げた自らの世界とお別れしなければならない。この淋しさの中、青春の一時、燃え尽きるがごとき夢の日々と決別する姿が写し出されていた。
これからは大学や社会人として成長してゆく彼ら。人生は一生の内、一度でも二度でも燃え尽きる思いで生きてみたいものだ…と、過ぎし日々と振り返ったことでした。
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