歴史の町飫肥に「SE工法の家」が建ちました
◎町並保存区域とデザイン
アイ・ホームでは設計に当たり様々な目標を整理する中で、「歴史的町並みへの配慮を大切にしたい」との思いで、落着きと和風モダンを具体化する設計となりました。
日南ではこれまでの古い建物を改築するに当り外観を町並に似合うものとすることを条件に改築費の80%の補助金が出されているとのこと。
完成展示会の当日も、そのような予定をお持ちのお客様がご来場されました。
当該SE工法の家は歴史的町並を保存する地域の隣接地にあり、お施主様としてもこうした取組に賛意をお持ちであったので、当社のデザインをご採用戴けたのではないかと完成後に思った次第です。
お伺いしたところ、奥様は某学習機関をご卒業されており、建築の知識、人脈も豊富というか、専門的なご判断も可能な方でした。
別けても、現在活躍中の設計士の方は先輩でもあり、検討されたい向きもあったようでしたが、ご主人の故郷飫肥に根ざしたデザイン意図を捕えたアイ・ホームの提案が採否を決したようです。
他に○○○○ハウス、○○林業といったメーカー系もご検討されたようでした。
◎機能とデザイン
まず外観ですが、太陽光発電を考慮する時、あのプレートが美感を損なう為、瓦の形状のものが採用となりました。
落ちついた黒の陶器瓦と一体感のあるすっきりとした仕上がりはまちがいのない選択だったと、この家づくりに携わったもの誰でも納得するものとなりました。
機能とデザインを、どちらも大切にしたいとの思い。ご来場の方々にも伝わったようでした。
中でも町並保存地区のお客様から「これなら私達も太陽光が利用できるかも」とのことで、今度、日南市と協議して欲しいとの希望を戴きました。
「町並保存」の意図を尊重しながらも、これからの生活も楽しみたい。これが、お客様の思いではないでしょうか。
太陽のエネルギーを利用する「省エネな暮らし」の実現に私共が少しでもお手伝いできたらと考えたことでした。
◎デザインでSE工法を選択
更に外観で大切にしたことは、平家としての落着きです。
軒を深く取り、昔の家のように広い間口から自然と一体感を楽しめる掃き出しの4連の硝子窓。4連を2ヶ所設けましたが、耐震強度を担保する為の工法選択でSE工法としました。
これにより、耐震性能は最高等級でありながら、壁の少ない開放的な南面が実現されました。
室内は、オリジナルデザインの高さ2200の障子で明るさと陰影を楽しめる、外との仕切りを用意。桟の配置もリズミカルで美しい和の広がりを演出できました。引手もシャレていると思いませんか。
◎地域特性と温熱環境
建築立地の特性として南側に流れる酒谷川が、夏の涼風を生み、暑い夏日でもクーラーは不用とか。
南に大きく開いた窓から快い風の吹き渡る夏が待ち遠しいことです。
一方、冬は日南でもかなり寒い日が多く、零下を記録する日もあるとか。
大空間を効率よく暖房する為に、新換気空調(マッハシステム)を採用しました。(この時基本的な住宅の断熱性能が高いことが前提となります。)
さて、この住まいには、吹き抜きに差し渡された木梁の量感溢れる存在が梁の上に広がる空間に遠近感をもたらします。ゆっくりと心が解き放たれるようです。
この空間を快適にコントロールする為には大風量小温度差空調の、新喚起空調システムが最適です。
ロフト空間を利用して省エネ空調を実現。一般の喚起に比べて10倍の喚起風量で、質の良い空気を満たしています。
尚、各室、様々な工夫によって中身のあるオリジナルな空間を形成しており、見所の多い住まいに仕上がりました。