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二百年住宅会社ビジネスモデル(日本住宅新聞 2月5日掲載予定稿)

                       ※日本住宅新聞・・・同業者の方が読まれる業界紙です。
二百年住宅会社ビジネスモデル
 長期優良住宅の元々の起りは「二百年住宅」であった。福田元総理の肝入りでスタートした構想は、それまで言われた「センチュリーハウジング」を一挙に色褪せたものとした。「二百年住宅構想」はそれ程にインパクトの強い表現でもあったのだ。
 しかし、様々な観点から「超長期優良住宅」となり、終に「長期優良住宅」と呼称は変遷することとなった。
 ところで二百年前の時代とはどんな時代であったのだろうか。当時、日本は鎖国制度の江戸時代。それではということで、当時の残存する住宅を捜してみるとありそうで、なかなかお目にかかれない。
 振り返って、二百年後は2209年、地球温暖化や人口減少によって世の中どのように変化していることになるのだろうか。
 絶滅危惧種
 ここに一つのデータがある。日本の人口推計で2065年、二百年よりずーっと近い、この56年後に日本の人口は約7000万人で5700万人程度減少するのではないかと言われている。その時我々「住宅産業人」はどうしているのだろうか。
 この「住宅産業人」という人種は、今、長期優良住宅をスタンダードの家づくり手法として懸命に実践しようとしている。
 しかし、たった56年後には、おそらく、否、確実に絶滅危惧種として「レッドデータブック」に掲載されねばならない種であるようだ。
 長期優良住宅の担い手である「住宅産業人」は、だからこそ今、生き残る為のビジネスモデルに思いを致さねばならないのではなかろうか。
 存在の理由
 玉石混交の木造住宅業界が、これまで生存できた要因は、情報の偏在と、住宅が一回性の買い物であるということにあるようだ。
 顧客と業者との出会いは様々な努力にも拘わらず、正に偶然にも近く。消費者は初体験の住宅建築に様々な情報の入手を試みるが、プロである業者に対抗するに、その努力は蟷螂の斧に等しい未熟さを露呈する。
 曰く、「坪単価は○○万円」。消費者教育として、家づくりの全てを何らかの形で手解き(手ほどき)されないかぎり、消費者は「坪単価」の中身と、真の価値と出会うことは出来ないのである。
 「あなたに頼みたい」と言われる為に
 どうすれば永きに渡り、世に必要とされる業者として残存できるか。そうして、「残存者利益」がそこに有るや無しや。想えば、この業を我らが選びたる一番の理由は、「物づくり」の喜びであり、喜んでもらうお客様の笑顔が、そこに見えることであったからで、その原点に立ち返ることが大切なことであるようだ。
 「あなたに頼みたい」と言われた喜び、誇り。
 一言で言えば、あたかも「近くの山の木で住まいを造る運動」のように地域の人材、企業が「住まい」という地域の人々の生活の場を造る運動が、住宅産業の本来の姿ではないでしょうか。「信頼」というものは、ポーズやスタイルでは勝ち取れない、時間をかけて築きあげたものでなければならず、こうして築きあげられた信頼こそがやはり地域密着の成果として我々の生き残りのキーワードとなるのではあるまいか。
 住宅産業人は、自らの力を研鑽し、身の程を知らねばならず、その結果自らの事業規模も決まってこようというものです。
 よく泳ぐものは溺る
 世の潮流の激しく変わる様は誰の目にも明らか、できれば私も溺れずに、ゆうゆうと時代を泳ぎ渡ってゆきたいと思っています。
 「他社をご検討であれば、どうぞそちらで、もし当社で良ければ、オンリーでお願いします」と言って、ゆっくり仕事をしたいものです。

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