「病は気から」という事で、「病」と「気」がくっついて「病気」という言葉になったようだが、仕事柄、健康に及ぼす「家」の影響を考えると、「病は家から」という考え方も外れてはいないようです。
先日の新聞紙上に、入浴中での人の死亡が、日本で1年間17,000人というデータを見ると、納得される方も多いと思いますが、住環境が大きく人の一生を左右するとしたら責任は重大です。
色彩の違いですら、体感温度は3℃程差があるとのこと。暖色系の内装と寒色系の内装との差となる。更に驚くのは、「体感時間」と名付ければ良いのかもしれないのですが、赤い部屋と青い部屋の中で感じる時間の長さにまで差が生じるとか。
赤い部屋では40分が1時間に、青い部屋では反対に1時間が40分に感じられるということで、色彩の違いで、もしかすると人生という時間にまで差が生まれるのかもしれません。
体感時間は色彩で異なるとのことですが、見方を変えると、私達のその場その時の状態で、この時間は変化するもののようです。
不快であれば短時間でも耐えがたい長い時間となり、快適であれば長時間も一時の間に感じてしまうということでしょうか。
家づくりを通じて、快適空間を少しでも多く提供してゆくことが、私達住宅建築に携る者の使命なのだと思います。体感時間を豊かに長くすることが出来れば、仕事の目的は達せられたことになるでしょう。
色彩が体感温度や体感時間を左右するとすれば、現実の住宅の温熱環境を左右する断熱性能が重大な結果として、具体的な17,000人の事態を生み出したということになる。
皮肉なことに温暖なはずの鹿児島県や宮崎県が脳内出血による死亡者ランキングで上位になっていることはあまり知られていません。
温暖な地域の為、家づくりでは冬の寒さ対策が甘く、ヒートショックで倒れる人の数が多くなっているような気がします。
温度差の無い生活空間の創出は「病は家から」といった課題に一定の解答をもたらすものとなるでしょう。
私達の取り組んでいるマッハシステムは、具体的対応策として今一番効果的な方法となっており、ぜひ検討して戴きたいものです。