塗り壁は空気中の湿度を吸収して、吐き出してくれるので調湿効果があると言われ、カビ対策になると言われてきました。防カビを売りにした自然素材の商品もあるくらいです。ところが一方で吸放湿性が高いがゆえに、かえって表面にカビが生えた事例が多数発生しています。
例えばムクの杉材などが、時間の経過で防カビの天然成分がなくなると青カビ、黒カビが付いてきます。木材が、風通しも良く雨掛かりのない部分に用いられているにもかかわらず、緑色にカビが繁殖していたりする事例を身近に見ることが出来ます。
湿気を吸い込んだ木材が、外へ水分を放出するとき、木材の近傍は高湿度となり、そこへ埃りが付着すると埃りが吸水し、カビが発生することになるようです。
塗り壁などで、北側の外壁などはカビが付きやすくなります。北側だから日にあたることもなく、雨などが乾きにくいことが一因です。更には塗り壁が水分を外へ吐き出す乾燥時に周辺の空気に比べて湿度が上がってしまうことで、カビが発生してしまうようです。
塗り壁の家では北側の壁がまっ先にカビで汚れてしまいます。
調湿性があるからカビを防げるのではないことを証明しているのが塗り壁の家の北側のカビです。