淡路島に建てられた「観音さん」が国費8億8000万かけて解体される。
マンションの未来も似たような運命のようである。
修繕積立金はあるが、解体積立金はないのがマンションの実体。
地価の高い都会なら最終処分の原資に土地の売却額が充当できますが、宮崎の地にあって過疎の進む状況下、未来の土地価格は50年後には今の半額以下かもしれません。
所有権者は住人死亡後相続人に移行するのが一般的ですが、相続放棄されたら、いつの間にか国の負の財産となってしまいます。誰も相続人がいなかったので「観音さん」は国が所有者となり解体しなければ劣化で崩落する恐れから周辺の住人の暮しを守れなくなったということです。
最後の所有者がババを引くことになります。
過疎化マンションでも同じことが起きます、高年齢化が進み、住人の50%以上が65歳以上の高齢者となったマンションは山間の限界集落と同様のマンションの維持管理のできない共同体としての生活機能を維持することが「限界」に近づいてしまうことになります。
修理しなければ外壁タイルが落下するかもしれません。建物である以上、観音さん同様最後は解体しなければなりません。
更に、管理人の役を担う人が不足して都会ではマンションの住人が自らこの役をしなければならなくなったり、代行業者も長時間労働の管理業務につく人の確保が出来なくなっているようです。
管理人のいないマンションの保全がどのようなものとなるか想像してみて下さい。宮崎の加納にはエレベータ―ホールに照明のついていないマンションがあります。歩くと妙に足の裏がふわふわしたので何如だろうと見てみると、捨てられたゴミが踏み固まって、土間のようになっていました。